- 問-1.
- 測定と計測の違いを説明せよ。
Ans. 測定とは、ものの大きさや量が、単位量の何倍になるかを求めること。
計測とは、測定結果を情報として利用できるようにすること。
- 問-2.
- 直接測定法と間接測定法の違いを実例を挙げてのべよ.
(解答) セクション1.2.1を見よ.
- 問-3.
- 変位法、補償法、ゼロ位法について述べよ。
- 問-4.
- 5.0 V の電圧を3種類の電圧計で5回ずつ測定したら、表のようになった。
以下の問に答えよ。
|
|
|
|
|
|
平均 |
標準偏差 |
電圧計 A (V) |
4.5 |
4.8 |
4.7 |
5.0 |
4.5 |
|
|
電圧計 B (V) |
5.5 |
5.0 |
4.8 |
4.7 |
5.3 |
|
|
電圧計 C (V) |
5.5 |
5.4 |
5.4 |
5.3 |
5.6 |
|
|
- それぞれの平均と標準偏差を求め、表を完成させよ。
- 最も精度(精密さ)の良い測定はどの電圧計で行なった場合か。理由も説明せよ。
- 確度の一番高いのはどの測定か。理由も説明せよ。
- 系統誤差の一番大きいのはどれか。理由も説明せよ。
(解答)
- それぞれの平均値を
,
,
とすると、
となる。
また、それぞれの分散を
,
,
とすると、
従って、それぞれのルートを計算し、
求めると下表の通り
|
|
|
|
|
|
平均 |
標準偏差 |
分散(参考) |
電圧計 A (V) |
4.5 |
4.8 |
4.7 |
5.0 |
4.5 |
4.7 |
0.21 |
0.045 |
電圧計 B (V) |
5.5 |
5.0 |
4.8 |
4.7 |
5.3 |
5.1 |
0.34 |
0.11 |
電圧計 C (V) |
5.5 |
5.4 |
5.4 |
5.3 |
5.6 |
5.4 |
0.11 |
0.013 |
- 電圧計 C で測定した場合が、精度としては最も良い。理由は、標準偏差が一番小さく、従ってバラツキが一番小さいから。
- 電圧計 B で測定した場合が、確度が最も高い。理由は、真の値5.0 Vに最も近いから。
- 電圧計 C で測定した場合が、系統誤差が最も大きい。理由は、真値との差が最も大きいから。
- 問-5.
- 真の値100 V のとき、測定値が93 Vととなった。
- 誤差
- 誤差率
- 補正
を求めよ。
(解答)
- 誤差
V
- 誤差率
- 補正
V
- 問-6.
- ある回路に10 Vの電圧を加えたとこと、5 A の電流が流れた。
電圧値には3 %の誤差を含み、電流値には 5%の誤差を含んでいるとすると、
消費電力には、何Wの誤差を含むか。
(解答)
10 V の電圧に含む誤差は
Vであり、5 A の電圧には
A の誤差を含んでいる。
したがって消費電力は、
したがって、誤差は4 W.
- 問-7.
- 以下の空欄を埋めよ。
観測値
と真値
との
の2乗和を最小にする。
いま、
,
を測定して、以下の表が得られたとする。
表 5:
に対する
の測定結果
|
1回 |
2回 |
3回 |
 |
n回 |
xの値 |
 |
 |
 |
 |
 |
yの値 |
 |
 |
 |
 |
 |
いま仮に、
と
が以下のように1次式で表すことができるとする。
 |
(133) |
この式の
に
,
,
,
,
を代入して得ら
れる値を
,
,
,
,
とすると、
![\begin{displaymath}
\Sigma (y_{n} - y'_{n})^{2} = \Sigma \framebox[2cm]{(2)}
\end{displaymath}](img453.png) |
(134) |
が最小になるaとbを求めれば良い。
(解答)
(1) 差
(2)
- 問-8.
- ある測定を行なったところ電圧
の値が表のような結果になった。
なる関係にあるとき、
を最小2乗法を用いて求めよ。
x [V] |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
y [A] |
1.0 |
3.0 |
7.0 |
8.0 |
13.0 |
(解答)
前問参照
- 問-9.
- クラス2.5の電流計の10mAレンジを用いて電流を測定したところ、2mAを示
した。
この時の真の電流は、どの範囲にあるか。
また、測定値に対する誤差の割合は何%か。
(解答)
誤差は、
mAであるので、真の電流値は、
mA の範囲にある。
また、その誤差の割合は、
%.
- 問-10.
- ある電圧を、2.5級の電圧計を用い定格電圧10Vのレンジで測定したら、指
針はちょうど3Vを示した。
このとき含まれる誤差は何%か。(2.5級とクラス2.5と言うのは、同じこ
と。)
(解答)
2.5級の計器の誤差は、測定しているレンジのフルスケールに対して2.5%の誤差
を有すると言うこと。
したがって、10 Vのレンジに対しては、
の誤差を有することになる。
したがって、3 V の電圧に対する誤差率は
となる。
- 問-11.
- 計測では測定をいかに行なうかと同様に測定データの意味ある数字、すなわち有効数字が重要な役割を果たす。以下の四則演算を行なって、有効桁と誤差の範囲を AAAA
BBBB の形式で示せ。
-
-
(解答)
-
-
-
-
- 問-12.
- ある抵抗にかかる電圧とその抵抗に流れる電流を測定したところ、以下の表のような結果になった。四捨五入して小数点以下第1位まで求めよ。
x [V] |
0.00 |
1.05 |
2.23 |
3.15 |
4.11 |
4.95 |
x の四捨五入値 |
|
|
|
|
|
|
y [A] |
1.02 |
3.05 |
7.15 |
8.06 |
13.54 |
16.85 |
y の四捨五入値 |
|
|
|
|
|
|
(解答)
x [V] |
0.00 |
1.05 |
2.23 |
3.15 |
4.11 |
4.95 |
x の四捨五入値 |
0.0 |
1.0 |
2.2 |
3.2 |
4.1 |
5.0 |
y [A] |
1.02 |
3.05 |
7.15 |
8.06 |
13.54 |
16.85 |
y の四捨五入値 |
1.0 |
3.0 |
7.2 |
8.1 |
13.5 |
16.8 |
- 問-13.
- 以下の数値の有効けたは、全て3桁になっている。有効数字が分かるように書き直せ。
- 325000
- 0.0000123
- 1210
- 0.0002
- 問-14.
- 以下の数値の差を求めよ。但し、誤差の範囲を示せ。
- 1.25 と 1.260
- 0.860 V と
mV
- 177.50 cm と 1.77 m
- 問-15.
- 最大出力 72 W の増幅器が, インピーダンス 8
のスピーカに接
続されている. 最大電流
, 最大電圧
を求めよ.
(解答)
より, I=3 A. したがって,
V.
- 問-16.
- 信号電力
mW, 雑音電力
mW のとき、SN比は、何dBか。
(解答)
dB
- 問-17.
- 出力30Wの増幅機がインピーダンス20
のスピーカに接続されている。
増幅機の電力利得、電圧利得がそれぞれ35dB, 45dBのとき、増幅機の入力電圧と入力電力を求めよ。
- 問-18.
- 1 mW は、dBm に直すといくらになるか。
(解答)
電力
を
[dBm]で表した単位の事である。
したがって、
1 mW は
dBm。
- 問-19.
- 下の図において、
が雑音電圧を表し、
がその内部抵抗を表しているとする。また、
は負荷のインピーダンスである。以下の設問答えよ。
で消費される電力
を求めよ。
- 雑音電力が最大となるときの
を求めよ。
- そのときの最大雑音電力を求めよ。
(解答)
に流れる電流を
,
にかかる電圧を
とおくと
したがって、消費電力
は、
- 雑音電力は、上式のとおり、
の関数になっている。したがって、
で微分して極小値を求めれば良い。
を
で微分すると、
- 上記の条件を
の式に代入すれば良いので、
- 問-20.
- 有能入力雑音電力について説明せよ。
- 問-21.
- ある装置に、1 mWの信号を入力したところ1 Wまで増幅された。
- 電力増幅率をデシベル値で答えよ。
- このとき入力雑音電力を測定したところ10
Wであったが、出力雑音電力は20 mWであった。雑音指数はいくらか。
- 問-22.
- 指示電気計器の三要素を挙げそれぞれを説明せよ。
(解答)
指示電気計器の3要素には「駆動装置」、「制御装置」、「制動装置」が挙げられる.
「駆動装置」は指針を動かすための駆動トルクを発生させる装置.
「制御装置」は指針を元の位置に戻そうとする制御トルクを生ずる装置で, 指針
は駆動トルクと制御トルクの釣り合った位置で静止する.
「制動(Damping)」はブレーキのことで, 制動が働くことにより指針の動きと逆
方向の力が働く.
- 問-23.
-
の実効値を求めよ(答えだけではなく、計算式を示すこと)。
(解答)
実効値
(Effective Value または、根二
乗平均ともいう
Root Mean Aquare)とは, 2乗した値を1周期に
亘って平均し、そのルートを求めれば良い。したがって、以下のようになる。
- 問-24.
- 各家庭に引かれている電源コンセント(商用電源)の電圧は、100 Vといわれている。最大値はいくらか。
(解答)
V
- 問-25.
- 実効値1Vの交流波形をできるだけ正確に描きなさい。
- 問-26.
- 指示電気計器において重要なファクターには何があるか。3つ挙げてそれ
ぞれを説明せよ。
(解答) セクション 5.3 を見よ.
- 問-27.
- ある電流値をClass 2.5 の電流計を用い、10 mAレンジで測定した。
指示値が 2 mA であった場合、真の電流はどの範囲にあるか。
また、誤差率を求めよ。
(解答)
 |
(137) |
したがって、電流範囲は、
mA となる。
また、誤差率は
 |
(138) |
より、12.5 % となる。
- 問-28.
- 内部抵抗
で、測定電圧 1 V の電圧計を用いて 10 V の電圧を測定
するには、どのようにすれば良いか。
(解答) 図のように
を直列に挿入する。
は以下のように求める。
- 問-29.
- 最大目盛10 mA, 内部抵抗10
の電流計を用い、
最大目盛1Aを指示させようとするには、どのぐらいの大きさの分流器が必要か。
(計算式も示すこと。)
(解答)
下図のように接続すると考えると、
に流れる電流が990mA であるので、
より、
- 問-30.
- 電池の起電力を電位差計で測定したところ 1.31 Vであった。
また、電圧計で測定したところ1.25 V であった。
電池の内部抵抗を求めよ。ただし、電圧計の内部抵抗は、60
とする。
(解答)
電位差計は、被測定電池に電流を流さないから、この電池の真の起電力は1.31 Vである。
電圧計に流れる電流値は
であり、それがそのまま回路に流れる電流値に等しいので、
となる。
- 問-31.
- 一般的なホイートストンブリッジを図に示し、平衡条件を求めよ。
- 問-32.
- 図のホイートストンブリッジにおいて、未知抵抗
を求めよ。但し、
,
とする。
(解答)
平衡条件
 |
(140) |
より
 |
(141) |
- 問-33.
- 図は、低抵抗を測定するためにホイートストンブリッジに工夫を施したも
のである。図の回路において未知抵抗
を求めよ。
ただし、
の値は、スイッチを1に倒したとき
, イッチを2に倒したとき
である。
- 問-34.
- 図は、標準抵抗器の等価回路である。
端子間のインピーダンスは、
である。特に、周波数範囲が
,
ならば、
となる。したがって、
は等価抵抗であり、
は等価インダクタンス
である。
この等価インダクタンスを
で割った値
を抵抗器の時定数という。
(a)
(b)
- 問-35.
- 図の2種類の回路において、電圧計の内部抵抗を
, 電流計の内部抵
抗を
として、以下の問に答えよ。ただし、
は未知抵抗とする。
- Iの回路において、電流計に流れる電流値を
[A], 電圧計にかかる
電圧を
[V] として、抵抗
に流れる電流を
,
,
,
のいくつかを用いて表せ。
- Iの回路において抵抗
で消費される電力
を
,
,
,
のいくつかを用いて表せ。
- IIの回路において、電流計に流れる電流値を
[A], 電圧計にかかる
電圧を
[V] として、抵抗
にかかる電圧を
,
,
,
のいくつかを用いて表せ。
- IIの回路において抵抗
で消費される電力
をを
,
,
,
のいくつかを用いて表せ。
- 負荷抵抗
の値が大きい時は、どちらの回路を採用すべきか。理由も答えよ。
(解答)
-
な
ので、
-
であるので、
 |
(142) |
- 抵抗
にかかる電圧
は、
- 電力は、
 |
(143) |
- IIを採用すべき。
理由 : 式(143)では、負荷抵抗
の値が大きくなると
も大きく
なり、誤差の項は
2乗に比例して増大する。
逆に式(144)の場合は
が大きくなればなるほ
ど流れる電流が小さくなるために、誤差はその2乗に比例して減少する。
※
や
の大きさを議論しているのではないので、注意すること。
- 問-36.
- 電圧計だけで単相電力を測定する方法に三電圧計法がある。以下の問に答えよ。
- 以下の部品を用い、回路図を示せ。
- 負荷での消費電力が、以下の式で与えられることを示せ。
- 力率が以下の式で与えられることを示せ。
(解答)
- 回路図は以下の通り。
- 負荷電圧と負荷電流の位相差を
とすると、
が力率になる。
また、交流電力(有効電力)
は電圧と電流の積に力率をかければ良い。
電圧と電流の位相関係は図16のようになっている
考えられるので、交流電力(有効電力)
は電圧と電流の積に力率をかければ良い。
 |
(144) |
まず、以下のように力率を求める。
図
の位相関係より、
これより、力率を求めることができる。
 |
(146) |
式(145) および (147)より、電力Pは、
 |
(147) |
- 問-37.
- 前問において、3電圧計法により単相交流電圧を測定したところ、
の指示が80[V],
の指示が100[V],
の指示が150[V] であった。この時の抵抗値が
50
のときの電力を求めよ。
(解答)
- 問-38.
- 図に示すように、3個の電流計の読み
,
,
と既知の抵抗
から負荷で消費される電力に関して、以下の問に答えよ。
- 負荷電流
は負荷電圧
より位相
だけ遅れているとするとした場合、
,
,
,
のベクトル図を示せ。
,
,
の関係式を導出せよ。
- 交流電力
および力率
を求めよ。
- 問-39.
- 雑音源のNoise電圧(雑音源電圧)が
であり、内部抵抗がRである時以下の問に答えよ。
- Z (
)で消費される雑音電力Pを求めよ。
- Zの大きさがいくつの時最大雑音電力となるか。
- 最大雑音電力はいくつか。但し、
とする。
- 問-40.
- ホール係数 20 [mV/mA
T
mm], 厚さ0.25 [mm]のホール素子を
0.4 [T] の磁束密度中において、0.5[mA]の電流を流した場合に得られるき電力を
求めよ。
(解答)
- 問-41.
- 0.5 Wb の 磁束が巻数10回の探りコイル中を短時間に
Wb まで変化したとすると、磁束計を通過する電荷はいくらか。但し、磁束計の全抵抗は10
とする。
(解答)
通過電荷は、
,
,
を代入して、
となる。
- 問-42.
- ある場所の磁界を測定する場合、探りコイルを用いる。
探りコイルの断面積をS, 探りコイルの巻き数を
, 探りコイルの抵抗値を
としたとき、磁束密度Bは、
となることを説明せよ。但し、
はコイルを通過した全電荷量を示す。
(解答)
探りコイルに磁束
が鎖交したときの起電力
は、
となる。したがって、コイルに流れる電流は、
となり、通過した全電荷は、
となる。
より、
となる。
- 問-43.
- 積分回路を用いることによって、磁束が測定できる理由を説明せよ。
(解答)
- 問-44.
- オシロスコープを用いた
曲線の測定装置図を以下に示す。
この回路で
曲線が得られる理由を説明せよ。
(解答)
- 問-45.
- オシロスコープに以下の波形が表示されている時、周期と周波数と振幅(
)を求めよ。
ただし、レンジは 2V/div, 5mS/div であるとする。
(解答)
振幅の
は4目盛分なので振幅は、8 V。
周期は、6目盛分であり、30 mS。
周波数は周期の逆数であり、
Hz。
- 問-46.
- パルス波形の パルス幅、立ち上がり時間、立ち下がり時間について述べよ。
- 問-47.
- オシロスコープの水平軸と垂直軸に以下のような位相の異なる正弦波電圧を
加える。
,
,
,
のときのリサージュ図形を求めよ。
- 問-48.
- オシロスコープの水平軸と垂直軸のそれぞれに、以下のように同じ周波数の異なる正弦波を加えたとき、その位相差
が
で求まることを示せ。
(解答)
水平軸と垂直軸に印加する電圧を以下のように定める。
式(151)をばらして
を消去すると、
式(150)を代入して、
式(150) より、
をくわえると、
は最大値であるので、
, また、
のとき
とおけば、
であるので、
となる。
- 問-49.
- オシロスコープの水平軸と垂直軸のそれぞれに、同じ周波数の異なる正弦波を加えたとき、以下のようなリサージュが得られた。
,
のとき、位相差はいくらか。
(解答)