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磁束密度の測定には、電子式磁束計を用いる。
サグリコイルの巻数を
、断面積を
とする。
さぐりコイル中を通過する磁束
が変化すれば、電磁誘導の法則によりコイルに電圧が生じる。
の時間変化を
、生じる電圧を
、コイルの巻数を
、磁束密度を
とすると、
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(110) |
となる。コ
さぐりコイルを電子式磁束計に接続し、その出力は積分される。
すなわち、
となる。
物質中の磁束密度を
とおくと
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa aaaaa
: 真空の透磁率
: 真空の透磁率
: 比透磁率
: 磁化の強さ
が真空中の場合と比較し、増えた分に相当している。
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(115) |
より、
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(116) |
また、上式より
となり、
を磁化率という。
図 9.3のような環状試料の1次側に
回、2次側に
の
巻線を施した試料を用意する。
1次側のコイルは、環状試料に磁界をかけるためのコイルであるので、
励磁コイルと言う。
環状試料の長さを
とすると、励磁コイルにより生じる磁界
はビオサバールの法則より、
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(119) |
となる。
2次側で生じる電圧は、
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(120) |
積分して
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(121) |
したがって環の断面積を
とおくと磁束密度は
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(122) |
と表すことができる。
図9.4 には、ヒステリシスループを示す。
横軸が磁界、縦軸が磁束密度を示す。
それぞれの記号の意味は以下の通りである。
: 飽和磁束密度
: 残留磁束密度
: 飽和磁界の強さ
: 保磁力
以下に、オシロスコープによる交流磁化特性の測定原理を示す。
図 29:
オシロスコープによる環状試料の磁化測定
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交流電源(ここではスライダックを使用)により、交流電流を流すと環状試料が磁化される。
オシロスコープの
軸に生じる電圧は、
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(123) |
となる。環状コイルの半径を
とおくと、1次側のコイルにより発生する磁界は
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(124) |
したがって
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(125) |
となり、
は
に比例する。
2次側の電圧は、
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(126) |
である。2次側の抵抗とコンデンサで積分回路を構成しており、オシロスコープの
y軸の電圧は、
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Nobuo Nishimiya
平成18年9月25日