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ホイートストンブリッジは抵抗の精密測定に最も広く用いられており、
図12 に示したように、測定電源 (電池)
と零検出器 (検流計) G と最低 4 つの抵抗 (
,
,
,
) とからなっている。
この抵抗の値を変えて点 N , P 間の電位差を零にし、それを検出器 G で検出する。
この平衡状態のもとでは、M , N 間の電圧降下は M , P 間のそれに等しいから、
次のようになる。
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(56) |
同様に、
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(57) |
がなりたつ。したがって、
 |
(58) |
となる。3 つの抵抗
,
,
が既知であれば、未知抵抗
は (58) 式から、
 |
(59) |
で与えられる。
すなわち、ホイートストンブリッジによる抵抗の測定は 3 つの既知抵抗によって行なわ
れ、検出器の特性、目盛には無関係である。検出器は平衡点を検出するのに十分な感度を
持っていればよく、その精度で (59) 式が成立する。
が低抵抗の時はどうすれば良いか?
平衡を保つには
の値も小さくなるので、抵抗間の線が持つ抵抗
も無視できなくなる。
そこで、スイッチKを1に入れた場合と、2に入れた場合の2回測定を行なう。
Kを1に入れた時は、
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(60) |
Kを2に入れた時は、
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(61) |
と表すことができる。
これらより、
を消去すれば、
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(62) |
となる。
図 12:
ホイートストンブリッジによる低抵抗の測定
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ホイートストンブリッジでは平衡を2度とる必要があるが、これを改善して1度の平衡で測定するようにしたのがダブルブリッジである。
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Nobuo Nishimiya
平成18年9月25日