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6 インピーダンスの測定

6.1 抵抗測定

6.1.1 ホイートストンブリッジによる測定

ホイートストンブリッジは抵抗の精密測定に最も広く用いられており、 図12 に示したように、測定電源 (電池) $E$ と零検出器 (検流計) G と最低 4 つの抵抗 ($R_{a}$, $R_{b}$, $R_{x}$, $R_{s}$) とからなっている。 この抵抗の値を変えて点 N , P 間の電位差を零にし、それを検出器 G で検出する。 この平衡状態のもとでは、M , N 間の電圧降下は M , P 間のそれに等しいから、 次のようになる。
\begin{displaymath}
I_{ab} R_{a}=I_{xs} R_{x}
\end{displaymath} (56)

同様に、
\begin{displaymath}
I_{ab} R_{b}=I_{xs} R_{s}
\end{displaymath} (57)

がなりたつ。したがって、
\begin{displaymath}
\frac{R_{a}}{R_{b}}=\frac{R_{x}}{R_{s}}\hspace*{5mm} または \hspace*{5mm}R_{b}R_{x}=R_{a}R_{s}
\end{displaymath} (58)


となる。3 つの抵抗 $R_{a}$ , $R_{b}$ , $R_{s}$ が既知であれば、未知抵抗 $R_{x}$ は (58) 式から、
\begin{displaymath}
R_{x}=R_{s}\frac{ R_{a}}{R_{b}}
\end{displaymath} (59)

で与えられる。

すなわち、ホイートストンブリッジによる抵抗の測定は 3 つの既知抵抗によって行なわ れ、検出器の特性、目盛には無関係である。検出器は平衡点を検出するのに十分な感度を 持っていればよく、その精度で (59) 式が成立する。

図 11: ホイートストンブリッジ
\includegraphics[width=7cm]{/home/nisimiya/Bunsho/Daigaku_and_Jimu/Lesson/Subject/Keisoku/FIG/wheat.eps}

6.1.2 ホイートストンブリッジによる低抵抗の測定

$R_x$ が低抵抗の時はどうすれば良いか? 平衡を保つには$R_s$の値も小さくなるので、抵抗間の線が持つ抵抗$r$も無視できなくなる。 そこで、スイッチKを1に入れた場合と、2に入れた場合の2回測定を行なう。

Kを1に入れた時は、

\begin{displaymath}
\frac{P}{Q_1}=\frac{R_S}{r+R_X}
\end{displaymath} (60)

Kを2に入れた時は、
\begin{displaymath}
\frac{P}{Q_2}=\frac{r+R_S}{R_X}
\end{displaymath} (61)

と表すことができる。 これらより、$r$を消去すれば、
\begin{displaymath}
R_X =\frac{P+Q_1}{P+Q_2} \cdot \frac{Q_2}{P}\cdot R_S
\end{displaymath} (62)

となる。

図 12: ホイートストンブリッジによる低抵抗の測定
\includegraphics[width=7cm]{/home/nisimiya/Bunsho/Daigaku_and_Jimu/Lesson/Subject/Keisoku/FIG/wheat_low_reg.eps}

6.1.3 ダブルブリッジによる測定

ホイートストンブリッジでは平衡を2度とる必要があるが、これを改善して1度の平衡で測定するようにしたのがダブルブリッジである。
図 13: ダブルブリッジ
\includegraphics[width=8cm]{/home/nisimiya/Bunsho/Daigaku_and_Jimu/Lesson/Subject/Keisoku/FIG/double_bridge.eps}

6.1.4 高抵抗の測定

6.1.5 交流ブリッジ

6.1.6 LCRメータ

6.2 高周波回路のインピーダンス計測


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Nobuo Nishimiya
平成18年9月25日