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Subsections


3 測定と電気標準

3.1 SI単位と標準

3.1.1 SI単位系について

基本単位を[m], [kg], [s], [A]とした単位系

3.1.2 標準について

ここでは電気的な標準については, 電流値, 電圧値, 抵抗値, 周波数などが 思い浮かぶ. それ以外思い浮かぶものとして, 長さ, 時間, 質量などがある. 時間は, セシウム原子のある準位間の寿命によって位定義されている. また,長さは, 時間と光速で決まる. 質量だけは物理定数などを元に決めることができず, フランスにある「キログラ ム原器」によって決まっている.

3.1.3 電流標準

今、図のように真空中に1 m の間隔で平行配置された無限に長い2本 の導体に逆向きに同じ大きさの電流が流れているとする。 長さ 1 m ごとに及ぼし合う力が $2\times 10 ^{-7}$ N である時の電流 を 1 A と定義する。
図 3: 1Aの定義
\includegraphics[height=7cm]{/home/nisimiya/Bunsho/Daigaku_and_Jimu/Lesson/Subject/Keisoku/FIG/current_stand.eps}

3.1.4 標準抵抗器

$\circ$
抵抗値が安定
$\circ$
抵抗値の温度係数が小さい
$\circ$
銅に対する熱起電力が小さい
マンガニンのある形状の抵抗値を標準としている. (Cu 84%, Mn 12%, Ni 4%)

3.2 量子標準

3.2.1 抵抗量子標準

ホール効果を利用.

図 4: ホール効果
\includegraphics[height=8cm]{/home/nisimiya/Bunsho/Daigaku_and_Jimu/Lesson/Subject/Keisoku/FIG/holl_effect.eps}
$B_{z}$方向の強磁場中に2次元導体をおき磁場と直角方向に電流$I_{x}$を流す。 磁場と電流に直交する電圧$E_{y}$は、
$\displaystyle E{y}$ $\textstyle =$ $\displaystyle \frac{h}{q^{2}}\frac{1}{n}I$ (43)
    $\displaystyle h:プランクの定数$  
    $\displaystyle q:電気素量$  
    $\displaystyle n=1,2,3 \cdots$  

ホール抵抗 $R_{H}=\frac{h}{q^{2}}=25812.807$ $\Omega$を抵抗量子標準として 用いる.

3.2.2 ジョセフソン素子

図のように、2つの超伝導体の間に非常に薄い絶縁膜を挟んだとき、電子対が絶縁膜を通り抜ける現象。 ジョセフソン素子に交流信号をかけた時、電圧-電流特性をとると電圧がステッ プ状に変化する。$n$番目のステップ電圧を$V_{n}$とすると、

\begin{displaymath}
nf=\frac{2e}{h}Vn
\end{displaymath}

ただし、$e$は電子電荷、$h$はプランク定数。$\frac{2e}{h}$は定数であるので、 これにより、周波数を測定することにより、電圧を決めることができる。 $\frac{2e}{h}=483597.9$ GHz/Vが国際的に勧告されている。
図 5: ジョセフソン素子
\includegraphics[height=5cm]{/home/nisimiya/Bunsho/Daigaku_and_Jimu/Lesson/Subject/Keisoku/TEXT/Tex_Source/FIG/josephson_zu.eps}

3.3 その他の標準

3.3.1 標準電池

飽和型カドミウム電池(ウェストン電池ともいう)の20℃における起電力を 1.01864 Vと決める。

3.3.2 ツェナーダイオード

3.3.3 標準電圧発生回路

3.4 周波数標準


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Nobuo Nishimiya
平成18年9月25日