フリップフロップ

順序回路

入力のみではなく,現在の状態にも影響される回路

記憶のモデル

フリップフロップ(flip flop)

フリップフロップの動作
入力 出力
Xa Xb Ya Yb
00 現状維持
01 01
10 10
11 使われない

状態遷移図

(Xa, Xb)を入力とし, (Ya, Yb)を出力とする回路.
次の動作をする.

SRフリップフロップ

SR:  Set & Reset

ラッチ回路

  1. 広い意味でのSRフリップフロップ回路

      2つの状態を取り得る

    • (Ya, Yb) = (1, 0)の状態
    • (Ya, Yb) = (0, 0)の状態

  2. ラッチ回路: 上の回路に入力端子(Xa, Xb)を付ける.

    • Xa=Xb=0のときは, 上の回路と同様に2つの状態を取り得る
    • (Xa, Xb) = (1, 0) のときは, (Ya, Yb) = (1, 0)
    • (Xa, Xb) = (0, 1) のときは, (Ya, Yb) = (0, 1)

     

  3. NORゲートで置き換えた回路

    • (Xa, Xb) = (1, 0), (Ya, Yb) = (1, 0) の状態から入力が (Xa, Xb = (0, 0) に変化しても, 出力は不変(保持動作)
    • (Xa, Xb) = (0, 1), (Ya, Yb) = (0, 1) の状態から入力が (Xa, Xb = (0, 0) に変化しても, 出力は不変(保持動作)

    SRラッチ回路 [SRフリップフロップ回路]

エッジトリガ動作

クロックパルスに同期して動作するフリップフロップ

クロック動作をするポジティブエッジ型フリップフロップの例

ポジティブエッジ型のフリップフロップ

その他のフリップフロップ

JKフリップフロップ


CK J K Q'
0 0 Q (hold)
0 1 0 (reset)
1 0 1 (set)
1 1 Q (toggle)
それ以外 Q (hold)
: 0でも1でもよい.
記号 特性表
ネガティブエッジ型JKフリップフロップ

Dフリップフロップ

CK D Q'
0 0
1 1
それ以外 Q (hold)
: 0でも1でもよい.
記号 特性表

JKフリップフロップを用いて構成したDフリップフロップ

まとめ

CK D Q'
0 0
1 1
それ以外 Q (hold)
: 0でも1でもよい.

練習問題

[1] Dフリップフロップ

  1. タイミングチャート
  2. SRフリップフロップを用いて構成したDフリップフロップ

[2] JKフリップフロップ

  1. タイミングチャート
  2. SRフリップフロップを用いて構成したJKフリップフロップ


実習

シミュレータを使用した演習問題

下図の基本論理ゲートで構成した回路(1)と シミュレータ内に登録されているJKフリップフロップ(2)が どちらも クロック信号(CK)に同期して教科書p.66, 図10.7 に示してある動作をし, JKフリップフロップとして機能することを確認せよ.

上の回路をシミュレータ上で動作させるには,下のタイムチャートに示すのように シミュレーション開始時に reset端子へ短いパルス信号を入力する必要がある.